暦の上でも夏になりましたが、今年は日中は暑くても朝夕は涼しく、寝苦しくないのが助かっています。
5月のほうが夜も暑苦しかったのですが、雨が降らずに苦しめられている分、夜くらいは過ごしやすくさせてくれているのでしょうか?
我が家はフォルナという村に給水用の井戸があって周辺の一部の農家にも水を供給しているのですが、観測史上最悪という旱魃で、水量が下がったせいで砂を吸い上げてしまい、大変な事になっています。
配管に行く前に4つの大きなフィルターを通すのですが、そのフィルターは通常であれば1週間か2週間に一度栓を開けて溜まった砂を流せばよい程度なのに、今は毎日掃除(栓を開けて砂を流す)してもフィルター一杯に砂が溜まり、配管にまで砂が流れて行ってしまいます。
配管に流れ出る砂はきめが細かくて埃のように軽いものですが、これがバルブの自動開閉を邪魔してしまいます。水圧を保つために配管を全部あけないで、セクターに分けて各セクターごとに時間割をしているのに、プログラムどおりにバルブが開かなかったり、逆に閉まらなかったりで、大混乱しています。
電気代が恐ろしく高いので、昨シーズンから平日は夜中から明け方にかけて水出し、土日は朝から昼過ぎまで水出しをしています。土日は稼働時間にバルブを手動で開閉できますが、平日は毎晩夜なべはできません。
ウチも、ほかの畑の水遣りもあるし、何よりも日中は普通に畑仕事があります。
それで、毎日、夕方7時ころから、フォルナに行って、フィルターの掃除をして、バルブの自動開閉システムの掃除をしています。帰ってくるのは作業が順調なら9時半頃ですが、ちょっと難航すると11時すぎたりしています。
もう、体力的にも精神的にも限界にきています。。。
自然現象相手ではできることは限られているので諦めていますが、こんな最中にもOlivaのオレンジ畑にある倉庫に泥棒が入って、またまたいろいろなものを持っていかれました。
今回は、壁に大きな穴を開けて鍵を内側から壊されました。
もういい加減にして欲しいです。この穴を塞ぐために日曜日は家族総出(3人ですが。。。)で行って来ました。
いくら直したり鍵を取り替えても、また壊されるのに決まっています。。。
。。。と、相変わらずの逆風続きです。
そして、あんなに楽しみにしていたサッカーのW杯、スペインも日本もあっけなく予選リーグ敗退。。。(予選とは言わないのでしょうが)
イイことないよね~
ただ、今月は我が家には唯一にして最大の朗報がありました。
娘が今年は大学受験だったのですが、合格点が取れたのです!
私も主人も普段は娘には殆ど構っていられないのですが、今月の初めは私も事務仕事で家に張り付いていたし、こんな時くらいは娘に協力してあげないと! 私もこの期間だけは「これでもか」と食事の支度、頑張りました。もちろん「カツどん」も作りました!
10・11・12日とSelectividadという日本でいうセンター試験のような統一試験がありました。
これは自治州ごとに内容と多少、日程が違うということですが、だいたい6月の初めに実施されます。
一般教科5科目(一部選択)と専門科目2科目(各自専門によって選択)の合計7科目の試験を受けます。
この7科目の結果と高校の2年間の成績の平均を総合して持ち点が算出され、希望の大学の学科に入れるかどうかがだいたい分かるのです。
この持ち点の計算がちょっと複雑です。
高校2年間の成績の平均 x 0.6 (満点:10x0.6=6)
一般5教科の合計÷5 x 0.4 (満点:50/5x0.4=4)
専門教科2科目の合計 x 0.2 (満点:20x0.2=4)
以上の計算で持ち点の満点は14点になります。ちなみにこちらの試験は10点満点です。
高校2年間の成績は各学年10科目ほどあってすべての教科が同じ比重です。
だから高校生になってからはすべての科目で良い成績を取ることが要求されるのです。
娘はセンター試験の初日の一番最初の科目の「国語・文学」で大失敗して5問中3問しか答えられませんでした。時間配分を間違って、というか緊張して時間の感覚がなくなってしまったのでしょう、2問は完璧に回答して3問目は大急ぎ端折りながらどうやら終えて、4問目は一行書いた時点で試験終了。5問目はモチロン白紙です。
「スゴイスタート」でしたが、その後の科目は気持ちを引き締めて頑張ったので良い点数を取れました。
娘の報告を受けた担任の先生のほうが動揺したようですが、娘はあまりの大失敗に実感が沸かなかったのかもしれません。兎に角、落ち込まずに後の科目は順調にこなしたようでした。
試験が終わった後からは、流石に心配していましたが、高校2年間の成績は良かったし、他の科目も低めに見て計算しても、希望の大学には入れると思っていましたが。。。
20日に発表があって、いくつか採点疑惑もありましたが、問題の「国語・文学」は合格点(5点以上)だったので文句なし。総合持ち点は希望の大学に十分入れるものでした。
「採点疑惑」というのは、こちらの試験はすべて論述式なので、採点者によって採点基準が異なることがあります。採点に不服があれば、再採点を申し込めます。
娘は「英語は出来た!」と言っていたのですが、結果は「あら、こんなもん?」という感じでした。でも、体勢に影響ないから再採点は申し込まないつもりでした。
ところが、同じクラスの英語がネイティブ並にできて、「10以外あり得ない」という子の点数も低いのです。高校2年生のときに事情があって転校した、これまた英語が超できる子も納得できない点数でした。
どうやら、この採点者、問題がありそうです。
娘だけのことなら、「なにか間違ったのかな?」で済んだのですが、「10以外あり得ない」と言った子は、前にも同じ問題に解答したことがあって、答えも全部暗記しているし、間違ったなんてあり得ないというのです。
この子は毎年、「優秀生徒」(Matricula de Honor)に認定されていた子で、しかも将来は外交官になりたいようで英語以外の語学も良く出来ます。
もう一人の子も転校の理由が「ドイツ語学校と高校の時間割が合わないから」と、こちらも語学の達人。採点者よりも英語が優秀かもしれない二人です。
試験の時にも採点者はその場にいたそうですが、「かなり感じ悪かった」と娘が言っていました。
それで、娘も英語の再採点の申し込みをすることにしました。再採点は別の人が採点して、1回目の採点との平均点が成績になります。この時、1回目と2回目の点数に2点以上の差がある場合は3度目の採点が行われる仕組みです。
お国が変ればお受験も採点方法も変るものですね。
そして、日本ではない「Matricula de Honor」というシステムですが、これに認定されると統一試験の受験料が免除され、大学の入学金も免除されます。
実は娘も初めてMatricula de Honorに認定されました。中学4年までも成績は良かったのですが、そこまでではなかったし、何より、その超できる「10以外はあり得ない子」がいるので無理なのです。
高校生になってからは大学入試に向けて成績もさらに良くなったのですが、2年生で「10以外はあり得ない子」と並んでMatricula de Honorになりました!
そんな事(Matricula de Honorの事)なんて考えていなかったし驚きました。しかも高校2年なら、こんな特典があるなんて!!
おまけに書いておきますが、こちらの高校は5月30日(金)で卒業でした。
その日の午前中まで試験があるというハードさで、午後に卒業式があって、娘は卒業のスピーチも卒業生(18人)代表で考えなければなりませんでしたので、3日ほどは4時間睡眠で頑張っていました。
卒業式の後は先生とのお食事会があって、その後はパーティがあって朝までディスコ。。。
「ちょっと、お受験前にこれって。。。」と疑問を持ったのは日本人母だけでした。
スペインでは体力もないとやって行けませんね。